帰納推論
広義の帰納
「不確実な状況において,知識を拡張する推論過程すべて」
帰納推論の手順
- 事例の観察
- 事例に基づいた一般化と仮説の生成
- 観察事例に基づいた仮説の検証
- 仮説保持/修正/新仮説生成のいずれかの選択
仮説検証
ウェイソン2-4-6課題とよばれる実験がある.
- 2ー4ー6という数字の並びにあるルールが隠れていることを被験者に伝える
- 被験者にはそのルールに対する仮説を立てそれに従う3つの数字の組みを作らせる(このとき,仮説としたルールもメモさせておく)
- 作成した3つの数字の組が正解となるルールに合致しているかどうかが被験者に伝えられる
- 被験者が「ルールを見ぬいた」と確信した場合,そのルールを報告させる
- 正解であれば実験終了,不正解であれば2.へ戻る
被験者の多くは初め「2ずつ増える偶数」と考えるが,それが間違いであることを告げられると「2ずつ増える数」と考え始める.それも違うと言われると被験者はまた別の仮説を立てるが,「有能な被験者は」,それの反証となるような3つの数字の組を作成するようになるという.ウェイソン2-4-6課題の正解は「単に増加する数」である.
カテゴリーに基づく帰納(category-based induction)
- 一般帰納:あるカテゴリーの特徴を,そのカテゴリーを包含するさらに上位のカテゴリーにも適用する,という帰納(カナリアには羽毛がある,よって鳥類には羽毛があるだろう).確証度を上げる要素に以下のようなものがある.
- 現象1:前提の典型性
- 現象2:前提の多様性
- 現象3:前提の単調増加性
- 現象4:結論の特殊性
- 特殊帰納:あるカテゴリーの特徴を,同レベルの抽象度をもつ別のカテゴリーにも適用する,という帰納(ツバメもタカも羽毛がある,よってスズメにも羽毛があるだろう).確証度を上げる要素に以下のようなものがある.
- 現象5:前提と結論の類似性
- 現象6:前提の多様性
- 現象7:前提の単調増加性
類似ー被覆モデル(similarity-coverage model)
一般帰納・特殊帰納の両者における確証度だけでなく帰納推論の確証度を,被覆度(coverage)によって説明する.被覆度とは,前提が,前提と結論を両方含むカテゴリーをどの程度網羅しているか,その程度を表す量である.
犬にも猫にも肝臓がある→哺乳類には肝臓がある,という帰納より,犬にもクジラにも肝臓がある→哺乳類には肝臓がある,という帰納の方が確証度が高い.これは「哺乳類」というカテゴリーに対する網羅の度合いが後者の方が高いからである.
(出典: amazon.co.jp)